地域の概要

空撮

地理

東峰村は、福岡県の中東部に位置し、東は大分県日田市に、西は朝倉市秋月に、南は朝倉市杷木に、北は嘉麻市、田川郡添田町に接しており、東西約10㎞、南北約18㎞、51.97㎢で、福岡市までは高速道路を経由して約1時間半圏内にある。
宝珠山地域北部には、大日ヶ岳、釈迦ヶ岳など800m級の山々が連なり、豊富な動植物が生息・生育する自然環境に恵まれている。小石原地区は山林面積が90%を占め、四季を通じて風光明媚で自然豊かである。

山々からは、筑後川水系の大肥川、宝珠山川、小石原川などの河川が流れ出て、谷を潤している。また、小石原川には県南地域の水道水源、洪水調整、河川環境の維持及び渇水対策を目的とした小石原川ダムが建設中である。



気候

清流の里

山間部であるため谷間より清らかな湧水があり、緑豊かな清流の里と言われ、澄んだ空気、心地よい流れ、四季折々に彩りを添える自然環境に恵まれている。

山村であるため平成24年度には大雨による土砂災害のため、しばらく通学路が変更になったこともあった。鼓地区の国道211号線バイパスが完成し、積雪時の交通事故の減少や交通渋滞がかなり解消された。

平成29年7月に九州北部豪雨災害が発生し、臨時休校や緊急時一斉下校等を余儀なくされた。また、冬場の降雪により1時間遅れの登校になることがあった。



生活

生活の基盤は勤労所得で、日田方面、朝倉・浮羽方面、筑豊方面に働きに出かけている。日用品は、地元の商店で間に合っているが、日田市、飯塚市、朝倉市まで買い物等に出かけることが多く、通勤・通学で村外に出ることが少なくない。

主な交通手段は、西鉄バス久留米(小石原・宝珠山→杷木)、JR日田彦山線等である。しかし、29年7月の九州北部豪雨災害によりJR日田英彦山線が不通となっていることやバスの本数が少ないなどの事情により、ほとんどの家庭がマイカーを利用している状況にある。



社会・経済

棚田百選

産業の基盤としては農業と林業があるが、最近は窯業・製材業・果樹・畜産・食品・工業・花木・椎茸・栗・ギンナン・ちんげん菜等の栽培が盛んになってきた。 一戸当たりの耕作面積は約30アールで、ほとんどが兼業農家である。

宝珠山地区には村が誘致した企業に、オークマ等があり、主に応接セット・テーブル等の木材加工製品を作っている。小石原地区は、「陶の里」として、昔からの陶器産業に力を入れ、小石原焼や高取焼きとして全国に知られている。 春と秋には「民陶むら祭」という陶器祭りを行い、毎年多くの観光客が訪れており、道の駅「小石原」や鼓地区の「鼓の里」も賑わっている。

また、天然記念物の行者杉や「ポーン太の森」、国定公園の岩屋神社、日本の名水百選に選ばれた「岩屋の湧水」、日本の棚田百選の「竹地区の棚田」、鉄道アーチ橋ライトアップ、ほたる祭り等の観光資源の活用を生かした事業も盛んに行われている。29年7月の九州北部豪雨災害により主要な観光施設に甚大な被害が出た。現在は、修復作業中である。朝倉市杷木までは10Km(車で15分)、日田市まで15Km(車で20分)、朝倉市甘木まで28Km(車で40分)であり、幹線道路はよく整備されている。宝珠山地区内をJR日田彦山線が縦断し、村内に三つの駅(筑前岩屋、大行司、宝珠山)を持ち、通勤や通学に利用されていたが、29年7月の九州北部豪雨災害により、現在は運休状態にある。村内には、役場、公民館、農協、保育所2、小中一貫校、郵便局2、駐在所2、診療所2、商店等がある。



地域の課題

陶芸

本校区は約86%が山林であり、暮らしは農地の狭いことや林業の不振などで厳しい 条件下にある。そのため、若年労働人口は村外流出が著しく、村に残る者がますます減 少している。 また、児童・生徒数の減少も続いている。

そこで、平成27年度より東峰村まち・ひと・しごと創生総合戦略として、地域資源を生かした魅力あるしごと、村をになう人材の育成、手厚い子育て支援に取り組んでいる。また、道路、住宅の整備や地域の祭事等を通しての交流、地場産業の振興、文化財の発掘・保存運動等が実践され、地域ぐるみで村おこしに取り組んでいるが、予算や体制づくり等に大きな課題を抱えている。